
遺言書って必要なのかな?
遺言書を残さず亡くなったらどうなるんだろう?

ちゃんとした遺言書があれば、相続がスムーズに進むんだよ。
遺言書って聞いたことはあるけど、周りは誰も書いてなさそうだし、書かなくても大丈夫かな?遺言書を書くのって、なんだかめんどくさそう。そのように感じてる方は多いのではないでしょうか?ここでは、遺言書について、基本的なことを解説します。
遺言とは?
遺言とは、自分の死後に一定の効果が発生することを意図した個人の最終意思が一定の方式のもとに表示されたものと定義されます。要するに、自分の財産を死後、誰にどのように分けるかを指定した意思表示のことです。
遺言をした人(遺言者)の一方的な意思表示によって、その効果が生じるのが特徴です。
遺言書
遺言は、遺言者の死後に効力が生じます。その時点では、遺言者は亡くなっています。生前の遺言者の意思表示が真意であることを確実にするために、遺言は、法律上の成立要件を満たす必要があります。
遺言の法律上の成立要件を満たした書面が、遺言書です。
遺言書がある場合
遺言書が存在し、遺言の執行によって遺産の帰属が確定する場合、遺産分割をする余地はありません。遺言書があることで、相続人間で遺産分割をめぐって紛争になることを防止することができます。
遺言書がない場合
民法は、遺言がある相続(遺言相続)を原則としています。しかし、遺言書を書く書かないは、自由です。遺言がない場合は、遺産分割を行う必要があります。
また、遺言がある場合でも、遺産の帰属が確定しない遺産がある場合は、遺産分割が必要です。
遺言書の種類
遺言は、普通方式の遺言3種類と特別方式の遺言4種類があります。
以下、①自筆証書遺言と②公正証書遺言について説明します。
①自筆証書遺言
自筆証書遺言は、遺言者が遺言書の全文・日付・氏名を全て自分で手書きして、押印して作成する遺言書です。年間で2万件ほど利用されているようです。
メリット
自筆証書遺言には、以下のようなメリットがあります。
自筆証書遺言のメリット
①誰にも知られずに遺言書を作成できる
②費用が安い
デメリット
自筆証書遺言のデメリット
①方式不備で遺言書が無効とされるリスクが高い
②遺言書が発見されないリスクがある
③遺言書の偽造・変造、隠匿・破棄のリスクがある
④家庭裁判所で検認の手続きが必要

②~④は遺言書保管制度を利用することで回避できます。
②公正証書遺言
公正証書遺言は、遺言書が遺言内容を公証人に伝え、公証人が筆記して公正証書によって作成する遺言書です。年間で10万件ほど利用されているようです。
メリット
公正証書遺言には、以下のようなメリットがあります。
公正証書遺言のメリット
①専門家の公証人が関与するので、遺言書が無効とされるリスクが低い
②遺言書は公証人役場で保管されるので、偽造・変造等のリスクがない
③家庭裁判所での検認の手続は不要
デメリット
公正証書遺言には、以下のようなデメリットがあります。
公正証書遺言のデメリット
①遺言書作成に費用がかかる
②遺言の存在と内容が明らかになるリスクがある
遺言でできること
遺言の明確性を確保し、後日の紛争を防止するために、遺言できる事項を限定しています。
主な遺言事項
①認知
②未成年者後見人の指定
③相続人の排除・排除の取消
④祭祀に関する権利承継者の指定
⑤相続分の指定
⑥特別受益の持戻しの免除
⑦遺産分割方法の指定
⑧遺贈
⑨遺言執行者の指定
⑩遺言信託
遺言書作成の流れ
遺言書を作成するまでの流れは、以下のとおりです。
事情聴取
依頼者の真意の確認、作成動機の確認
遺言の方式の選択
資料の収集・目録等の作成
推定相続人の把握、相続財産の把握
相続人関係図、財産目録の作成
遺言書案の作成
遺言書案を作成し、遺言者の真意と合致しているかを確認
遺言書の作成
実際に遺言書を作成します。
よくある質問Q&A
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自筆の遺言書
ウサラ 自筆で書いた遺言書は効力があるの?
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にゃソラ 法律の方式を満たせば効力があるよ。
自筆証書遺言の方式を全て満たせば、遺言としての効力があります。
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夫婦一緒の遺言
ウサラ 夫婦で一緒の遺言ってできるの?
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にゃソラ 夫婦一緒の遺言は認められていません。
民法は共同遺言を禁止しています。したがって、夫婦で一緒の遺言を作成することはできません。
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遺言書の変更・撤回
ウサラ 後から遺言書の内容を変更したり、撤回できるの?
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にゃソラ 遺言書はいつでも変更、撤回できます。
変更・撤回する場合は無効とされないように注意が必要です。遺言者の生存中は、いつでも何度も遺言の変更・撤回が可能です。ただし、変更・撤回は、方式に従って行う必要があります。
大切なご家族に遺言書を残したい方へ
遺言は、相続による紛争を避ける一番の備えです。ただ、せっかく遺言書を作成しても、死後に無効と判断されたら意味がありません。
大切なご家族に遺言書を残しておこと思ったら、専門家である弁護士にご相談ください。
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