相続手続に必要な書類チェックリスト-預金・不動産・相続放棄までケース別に解説-


ウサラ

相続の書類って、戸籍とか印鑑証明書とか、聞いただけで頭がぐるぐるするよ…

にゃソラ

うん、たしかに多く見えるよね。でも、まずは「相続人を確認する書類」「遺産を確認する書類」「分け方を確認する書類」に分けると整理しやすいよ。

ウサラ

全部いっぺんに集めなきゃって思ってたけど、順番があるんだね。

にゃソラ

そうそう。まずは共通して必要になりやすい書類を押さえて、そのあと預金・不動産・相続放棄みたいに手続ごとに確認すれば大丈夫。

 遺産を相続する際には、遺産分割や名義変更など様々な手続きを行う必要があります。手続きを行うには、以下のような様々な書類・資料が必要になります。

書類・資料誰の書類・資料入手場所使う場面
戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍被相続人市区町村役場相続人の確定
住民票の除票、戸籍の附票被相続人市区町村役場被相続人の住所の確認
戸籍謄本相続人市区町村役場相続人の確定
印鑑証明書相続人市区町村役場遺産分割協議書、預貯金の手続等
本人確認書類相続人手元の免許証等役所、金融機関等での本人確認
遺言書被相続人公証役場、法務局、自宅等遺言の確認、執行
遺産分割協議書相続人全員相続人全員で作成遺産分割後の名義変更

 もっとも、これらの書類・資料は、相続に関する全ての手続きで、全てが必要というわけではありません。

 相続の手続きで必要になる書類・資料は、大きく以下の3種類に分類できます。

相続手続に必要な書類の分類

①相続人を確認する書類・資料

②遺産を確認する書類・資料

③遺産の分け方・取得者を確認する書類・資料

相続手続で必要な書類の分類

 相続の手続きは、まず、相続人が誰か?を確定するところから始めるのが基本です。まずは、相続人を確認する書類・資料を集めるところからスタートです。

にゃソラ

以下の「初めての相続手続き-不安を整理し最初の一歩を踏出すために-」も参照

初めての相続手続き-不安を整理し最初の一歩を踏出すために-

初めての相続手続き、何から手をつけたらいいのか分からない方は多いのではないでしょうか?相続手続きの最初のポイントを解説します。

被相続人に関する書類

出生から死亡までの戸籍謄本
(除籍謄本、改製原戸籍を含む)
市区町村役場で入手
住民票の除籍市区町村役場で入手

相続人に関する書類

戸籍謄本市区町村役場で入手
住民票市区町村役場で入手
印鑑証明書市区町村役場で入手
身分証明書免許証、マイナンバーカード等

 相続手続きでは、被相続人・相続人のそれぞれの戸籍謄本が必要です。被相続人の戸籍謄本を集める際の注意点をまとめました。

出生から死亡までの戸籍が必要

 被相続人の戸籍謄本は、出生から死亡までの全ての戸籍謄本が必要です。実際に、戸籍謄本を集める際は、死亡時の最新の戸籍謄本又は除籍謄本から戸籍を遡っていくことになります。

転籍・結婚・離婚があると戸籍が複数になる

 被相続人が、結婚、離婚、転籍などをしていると、戸籍謄本が複数必要になります。場合によっては、除籍謄本・改正原戸籍といった古い戸籍謄本も必要になります。

戸籍証明書等の広域交付

 戸籍謄本は、本籍地の市区町村役場で入手する必要があります。現在は、本籍地以外の市区町村役場で、戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍謄本を入手することができます。

 広域交付で請求できるのは、本人、配偶者、父母等の直系尊属、子・孫等の直系卑属に限られます。つまり、兄弟姉妹の戸籍謄本等は、広域交付では取得できません。また、委任状による代理人が請求することはできません。

 なお、コンピュータ化されていない戸籍謄本や戸籍の附票は、交付交付の対象外です。

 相続人を確認する書類・資料は、相続のあらゆる手続きで必要となる書類・資料です。つまり、手続きのたびに、集めた全ての戸籍謄本等を提出する必要があります。その手間を解消するのが、法定相続情報一覧図です。

 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を入手して、相続人が確定したら、法定相続情報一覧図を作成しましょう。

 まず、被相続人の相続人が誰かを家系図のような相続関係図を作成します。作成した相続関係図と被相続人の戸籍謄本を法務局に提出します。法務局で相続関係が作成した相続関係図のとおりと認められれば、証明書を発行してもらえます。この証明書が、法定相続情報一覧図(写し)です。

 法定相続情報一覧図は、相続登記、預貯金・証券口座の名義変更、相続税の申告など相続の様々な手続きで、戸籍謄本の代わりにとして使えます。法定相続情報一覧図を入手すれば、戸籍謄本を何通も入手する必要がなくなります。

 相続人を確認する書類・資料以外に、相続の手続きごとに必要となるのは、以下のような書類です。

預貯金の相続

書類備考
遺言書遺言書がある場合
遺産分割協議書遺産分割が成立した場合
通帳・キャッシュカード
銀行所定の相続手続依頼書預貯金を取得する相続が署名・押印

不動産の相続

書類備考
不動産登記簿謄本法務局で入手
固定資産税評価証明書市区町村役場で入手
遺言書遺言書がある場合
遺産分割協議書遺産分割が成立した場合
登記済証又は登記識別情報通知

 登記済証・登記識別情報通知は、不動産の内容確認のために手元にあると便利です。相続登記の必要書類は、ケースによって異なります。詳しくは、司法書士、法務局にご確認ください。

保険金の請求

 生命保険金を受け取る場合、以下のような書類が必要です。

生命保険金の受取に必要な書類

①死亡保険金請求書

②死亡診断書又は死体検案書

③保険証券

相続放棄

 上記の手続共通の書類の他に、相続放棄申述書を作成し、家庭裁判所に提出します。

遺言書がある場合

遺言書公正証書遺言は公証人役場で保管
遺言執行者の選任審判書謄本遺言執行者がいない場合は家庭裁判所が選任
検認済証明書自筆証書遺言で検認が必要な場合
検認手続後、家庭裁判所で発行

相続税の申告

遺言書遺言書がある場合
遺産分割協議書遺産分割協議が成立した場合
相続放棄申述受理証明書相続放棄した相続人がいる場合
固定資産税評価証明書、登記事項証明書遺産に不動産がある場合
預貯金の残高証明書、通帳、取引履歴遺産に預貯金がある場合
証券会社等の残高証明書遺産に株式がある場合
生命保険金の支払調書死亡保険金を受取った場合
退職手当支給証明書死亡退職金を受取った場合
借入金の残高証明書被相続人に負債がある場合
葬儀会社の領収書、請求書被相続人の葬儀を行った場合

 その他に、遺産である財産の評価額がわかる書類・資料が必要になります。相続税は、配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例、特定事業用資産の特例など様々な軽減措置があります。相続税の軽減措置を受ける場は、それぞれの軽減措置を受けるために必要な書類・資料が必要になります。

 詳しくは、税理士、税務署にご確認ください。

 相続手続きに必要な書類・資料は、どこで取得すればいいのでしょう?取得先別に整理しました。

市区町村役場で取得する書類

 市区町村役場で取得するのは、以下の書類・資料です。

市区町村役場で取得する書類

①被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍謄本

②被相続人の戸籍の附票、住民票の除票

③相続人の戸籍謄本

④相続人の印鑑証明書

 不動産の固定資産税評価証明書も市区町村役場で取得します。

法務局で取得する書類

 法務局で取得するのは、不動産の登記事項証明書です。

 また、法定相続情報一覧図を作成・入手するのも法務局です。被相続人が遺言書保管制度を利用して自筆証書遺言を作成していた場合は、遺言書保管所である法務局で、遺言書情報証明書の取得、遺言書の閲覧、遺言書保管事実証明書の取得ができます。

金融機関・保険会社から取得する書類

 残高証明書、取引履歴などを各金融機関、保険会社から取得します。

 相続手続きに必要な書類に関するよくあるつまづきポイントです。

戸籍謄本がそろっていない

 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍を全て入手する必要があります。しかし、一部が抜けているケースがあります。戸籍謄本は、相続人を確定するために必須の書類です。確実に全ての戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍を入手しましょう。

期限切れ等に注意

 相続手続きや遺産分割協議に時間がかかることがあります。印鑑証明書の期限が切れていたり、すでに入手した戸籍謄本や住民票の記載と一致していないといったことがあります。

相続手続に必要な書類は、まず何を集めればいいですか?

ウサラ

相続に必要な書類は、まず何を集めればいいの?

にゃソラ

まずは、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を集めよう。

 まずは、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、被相続人の住民票の除票又は戸籍の附票、相続人の戸籍謄本を集めることが基本です。
 そのうえで、預貯金、不動産、保険、相続放棄など、行う手続きに応じて追加書類を準備します。

戸籍謄本は何通必要ですか?

ウサラ

戸籍謄本って、何通も必要なの?

にゃソラ

基本的には、提出する先の数だけ必要だよ。

 戸籍謄本は、基本的には、提出する先の数だけ必要です。ただし、ただし、法定相続情報一覧図を作成した場合は、戸籍謄本の提出に代えて法定相続情報一覧図を提出することができます。

印鑑証明書に有効期限はありますか?

ウサラ

印鑑証明書に有効期限はあるの?

にゃソラ

提出先によって、発行から3か月の期限が定められていることが多いよ。

 法律上、印鑑証明書の有効期限があるわけではありません。ただ、提出先の法務局や金融機関などが、発行から3か月又は6か月以内といった期限を定めていることが通常です。

法定相続情報一覧図は必ず作る必要がありますか?

ウサラ

法定相続情報一覧図は、必ず作らないとダメなの?

にゃソラ

作成は義務じゃないけど、作っておいた方が便利だよ。

 法定相続情報一覧図の作成は義務ではありません。ただ、相続では、様々な手続きがあり、どの手続きでも、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人の戸籍謄本の提出は必要です。法定相続情報一覧図を作成・入手すると、戸籍謄本を複数入手する必要がなくなります。

ウサラ

書類って多いけど、何のための書類か分けて見ると、ちょっと落ち着くね。

にゃソラ

うん。戸籍で相続人を確認して、財産の資料を集めて、誰が何を相続するかを形にしていく。順番がわかれば、進めやすくなるよ。

ウサラ

でも、戸籍が途中でわからなくなったり、相続人同士で話がまとまらなかったら大変そう…

にゃソラ

そういうときは、無理に一人で抱え込まなくて大丈夫。書類集めの段階から弁護士に相談していいんだよ。

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