
最近「いぞう」って言葉を聞いたんだけど、正直よくわかんないのよねぇ。遺言とどう違うの?

遺贈(いぞう)っていうのはね、遺言書で財産をあげますよって一方的に決めることなんだ。たとえば「友人のAさんに私の家をあげる」って書いておくと、それが遺贈になるんだ。

なるほど…つまり、亡くなった人があげたい人を選べるってことね。じゃあ、相続とどう違うの?

相続は法律で決まった相続人が自動的に受け取る仕組み。
遺贈は相続人じゃない人にも渡せる仕組みなんだ。だから、たとえばお世話になった友人や団体に財産を贈るときにも使われるんだ。

じゃあ、遺贈ってひとことで言っても、いろんな渡し方があるの?

そうそう。大きく分けて2つあるんだ。
ひとつ目が「特定遺贈」、もうひとつが「包括遺贈」だよ。

名前がもうムズカシイ…ちがい、教えて~!

特定遺贈は、「この財産をあげます」って特定して渡すやり方。
たとえば「Aさんに自宅を」「Bさんに預金100万円を」みたいにね。
一方、包括遺贈は、財産全体のうちどれくらいを渡すか割合で決めるんだ。
「全財産の3分の1をAさんに」とかね。

じゃあ、特定遺贈はモノや金額をハッキリ決める、包括遺贈はざっくり割合で渡す…って感じね。

そのとおり。しかも包括遺贈の場合は、相続人に近い扱いを受けるんだ。
たとえば、借金もその割合で引き継ぐことになる。

えっ!?借金まで!?
財産をもらえるって喜んでたら、借金もついてくるなんて…!

そうなんだ。だから、もらう側も慎重に考える必要があるんだ。
場合によっては放棄するって選択もできるよ。

遺言って、もらえる人のための優しい仕組みだと思ってたけど、実は責任もあるんだ…

うん。でもね、うまく活用すれば、ありがとうの気持ちを形に残せる制度でもあるんだ。
「家族以外にも感謝を伝えたい」「お世話になった人に恩返ししたい」―
そんな想いを叶えるのが、遺贈なんだ。
詳しく知りたいときは、「遺贈って何?-特定遺贈と包括遺贈-」を読んでみてね。