親が亡くなって、銀行に行ったら遺産分割が終わらないとお金は下ろせませんって言われちゃったんだけど…。葬儀代とか当座の支払い、どうしたらいいの？
うんうん、それはよくある話だね。相続が始まると、預金は共有状態になるから、原則として全員の同意がないと動かせないんだ。
えっ、じゃあ遺産分割が終わるまで、一円も下ろせないの？
実はね、全部は無理でもある程度までなら下ろせる仕組みがあるんだよ。それが「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」っていうんだ。
そんな制度あるの!? 知らなかった！
うん。家庭裁判所を通さなくても、銀行の窓口で手続きすれば、限度額の範囲内で払戻しができるんだ。
限度額？どのくらいまで下ろせるの？
相続開始時の預金残高 × 1/3 × 法定相続分、っていう計算式だよ。
たとえば、口座に300万円あって、ウサラが相続人のひとりで法定相続分が1/2なら、
300万円 × 1/3 × 1/2 ＝ 50万円まで下ろせるって感じ。
なるほど…ちょっとした支払いには助かるね。でも、全部の口座からそれぞれ下ろせるの？
銀行ごとに150万円が上限っていうルールもあるんだ。
そっかぁ。でも、申請って大変なの？家庭裁判所を通さなくてもいいなら、ちょっと安心だけど…。
必要書類は、亡くなった人の戸籍関係書類とか、相続人全員がわかる戸籍謄本、そして本人確認書類かな。銀行によって書式が違うけど、弁護士にお願いすればスムーズに進むよ。
じゃあ、すぐに困る支払いだけ先に対応して、残りは遺産分割で話し合えばいいってことね！
その通り。生活費や葬儀費用にあてるための応急処置みたいな制度なんだ。
ただし、あくまで遺産の一部を先に払戻すだけだから、後で分割協議のときに精算が必要になることもあるよ。
なるほど…ちゃんと覚えておかないとだね。相続って全部が止まるわけじゃないんだ！
うん、知ってるだけでずいぶん安心できるよ。
詳しいく解説は、「遺産分割前の相続預金の払戻し制度-口座凍結でも一部は引き出せる？-」でしてるから見てみてね。