
実家を相続することになったんだけど…この不動産の評価って必要なの?

そこがよくつまずくポイントだね。遺産分割をするには、遺産の評価が大事なんだ。

不動産の評価ってどうやるの?

不動産の評価としては、公的な資料に基づいて合意を目指すことになるよ。
遺産を公平・適切に分割するには、遺産の評価が必要になります。不動産の評価を説明します。
遺産の評価
遺産分割は、現金・預貯金・不動産・株式などの財産から構成される遺産を具体的相続分に応じて、相続人に公平・適切に分配する手続です。遺産分割の前提として、遺産の経済的な価値を評価する必要があります。
遺産を評価する時点
遺産は、遺産分割時に評価します。
特別受益、寄与分が主張されている場合は、相続開始時を基準にみなし相続財産を算出する必要があります。そのため、相続開始時にも評価をします。
不動産の評価方法
不動産の評価は、相続人間で合意できなければ、最終的には鑑定をします。鑑定によらない簡易な評価のための資料として、以下の評価額が用いられます。
①固定資産税評価額
土地家屋調査台帳などに登録された基準年度における価格・比準価格です。3年ごとに評価替えされます。
実勢価格との差が出やすく、価額は公示地価の約70%を目安とされています。遺産分割調停では、建物の価格の合意形成資料として用いられることが多いとされています。
②相続税評価額(路線価)
相続税課税の基礎となる財産評価基本通達により、対象地の地目ごとに路線価方式・倍率方式が指定されています。路線価は公示価格の約80%を目安に設定されています。
財産基本評価通達は、相続税・贈与税を課税するための財産評価方法の全国共通の画一的で合理的な基準です。当事者の納得を得やすく、路線価を参考に評価の合意を得ることが多いとされています。
③公示価格
国交省が毎年1月1日を基準に正常価格として公表する価格です。毎年4月1日前後に公表されます。
公示価格は、比較的実際の取引価格に近いとされています。しかし、対象の標準地・基準地が少ないことから、遺産である不動産の評価を公示価格で行うのは困難です。
④基準地標準価格
都道府県が毎年7月1日を基準日として評価し、10月1日に公表する価格です。都道府県内地価調査価格とも言います。
比較的実際の取引価格に近いとされています。公示価格と同様、対象の標準地・基準地が少ないことから、遺産である不動産の評価を公示価格で行うのは困難です。
⑤不動産業者の査定
相続人が依頼した不動産業者による査定です。複数の査定書が提出された場合、査定額にそれほど差がなければ、間を取るといった合意ができることもあります。
しかし、査定価格の応酬になり、合意形成ができないことの方が多いです。相続人間で合意できない以上は、不動産業者の査定書は無意味です。
不動産の評価をめぐるトラブル
相続人間で不動産の評価方法をめぐってトラブルになることが多いです。特に、不動産業者の査定を経ている場合は、相続人が査定額にこだわるといったこともあります。
相続人間で合意できなければ、不動産鑑定をすることになります。不動産鑑定をするには、鑑定費用が必要です。その負担で相続人間でトラブルになることがあります。
不動産の評価をめぐるトラブルを避けるには、不動産の評価方法について、あらかじめ合意しておくことが望ましいです。
不動産の評価でお悩みの方へ

なるほど…評価の種類がこんなにあるなんて知らなかった!

そうなんだ。まずは「どんな特徴があるのか」を整理するとスムーズだよ。

うん、これで遺産分割の話し合いにも自信が持てそう。

それでも不安なときは、弁護士に相談すれば大丈夫。
まずはご相談くださいってことだよ。
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