遺産分割の前提問題


ウサラ

お母さんが亡くなって、そろそろ遺産分けの話をしようって兄弟で集まったんだけど…なんか話がかみ合わなくて💦

にゃソラ

もしかして、相続人が誰かとか、遺言書があるかどうか、確認しないまま話してない?

ウサラ

うん、兄が「おれが管理してたから」って言ってたけど、それでいいのかな?

にゃソラ

実はね、遺産分割の前に解決しておくべきことがいくつかあるんだ。そこをあいまいにすると、あとで揉める原因になるんだ。

 遺産分割の前提として、①相続人の範囲、②遺言書の効力・解釈、③遺産分割協議の効力、④遺産の帰属の4つの問題があります。

 遺産分割を行うに当たって、解決しておかないといけない前提問題が4つあります。

遺産分割の前提問題

①相続人の範囲

②遺言書の効力・解釈

③遺産分割協議の効力

④遺産の帰属

①相続人の範囲

 誰が相続人なのか?という問題です。通常は、戸籍謄本を確認すれば、相続人の範囲は明らかです。

にゃソラ

相続人の範囲については、以下の記事参照

誰が相続人になるの?-法定相続人の範囲と順位

誰が相続人になるのか?相続人の範囲と順位を解説します。

 中には、戸籍と実際の相続人の範囲が一致しないことがあります。たとえば、推定相続人の廃除やその取消しがあった場合です。

相続人の範囲が問題になる例

①推定相続人の廃除やその取消し

②養子縁組の取消し、離縁の取消し、認知やその取消し、嫡出否認

③養子縁組の無効、離縁の無効、親子関係不存在

 これらに争いがある場合は、遺産分割協議とは別に、審判や訴訟において解決されます。

②遺言書の効力・解釈

 遺言が存在し、遺言の執行によって遺産の帰属が確定する場合、もはや、遺産分割をする余地はありません。したがって、遺産分割協議をする前に、遺言書の有無を確認する必要があります。

 遺言書があっても、遺言の効力や解釈について、相続人間で争いになることがあります。遺言の有効性に争いがある場合は、遺言無効確認訴訟等の民事訴訟で解決をします。

 また、自筆証書遺言の中には、どのような分割方法を定めたのか趣旨が分からないケースがあります。相続人間で遺言の解釈に争いがある場合は、民事訴訟で解決する必要があります。

③遺産分割協議の効力

 遺産分割協議や調停において、一部の相続人からすでに、遺産分割協議が成立していると主張されることがあります。遺産分割協議が有効に成立していれば、遺産分割の余地はありません。このように、遺産分割協議の有効性が問題になるケースがあります。

 遺産分割協議の効力を争う場合は、遺産分割協議無効確認訴訟等の民事訴訟によって解決します。

にゃソラ

相続人全員が合意すれば、再度、遺産分割をやり直すことが可能です。

④遺産の帰属

 ある財産が、被相続人の遺産なのか?が争いになることがあります。遺産の帰属をめぐる紛争は、遺産確認の訴えという民事訴訟によって解決されます。

にゃソラ

以下の各記事も参照

相続の対象となる財産・ならない財産

被相続人の財産であっても、相続の対象にならない財産があります。相続の対象の財産と対象ではない財産を解説します。

遺産分割の対象となる財産・ならない財産

相続財産の全てが遺産分割の対象となるわけではありません。遺産分割の対象となる財産・ならない財産を解説します。

 遺産分割の前提問題に争いがある場合は、遺産分割協議や調停で解決できず、民事訴訟等によって解決されます。

 前提問題が解決するまで、遺産分割協議をするのは適当ではありません。遺産分割調停を申立てている場合は、いったん、調停を取り下げることが多いです。

ウサラ

なるほど…「誰が相続人か」とか「遺言が有効か」とかって、ちゃんと確認しないとダメなんだね。

にゃソラ

うん。最初にそこを解決しておくと、そのあとの話し合いがスムーズになるよ。もし不安なら、弁護士に相談すれば安心だよ。

ウサラ

そっか…まずは弁護士に相談して、きちんと整理してもらおうっと!

にゃソラ

まずはご相談くださいってことだよ。

事前予約で夜間・土日祝日の相談も可能です06-6195-6503受付時間 9:00-18:00 [ 土・日・祝日除く ]

相続の相談の申込みはこちら お気軽にお問い合わせください。

PAGE TOP